「花押」は遺言書の印鑑にあたるか?

「花押」は、何と読むのでしょうか?

正解は、「かおう」です。

それは、戦国の武将などが印鑑の代わりに文書の最後に印鑑の代わりに用いたサインのようなものです。

先日、最高裁で新しい判例が出ました。

 

2003年に沖縄で死亡した男性の遺言書に印鑑の代わりに、「花押」が記されていたのです。

相続人による遺言書無効確認の訴えで最高裁の判断は、無効と判示されました。

 

つまり、花押は遺言書でいうところの印鑑には当たらないという判断を示したのです。

第1審、第2審とも花押を有効と判断をしていました。

 

民法968条によると、

「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」

とあります。

遺言書には、その遺言によって、多額の財産が相続人等に移転するという重要な効果が発生することになります。そのことを考えてみると、今回のように「印」の意味を厳格に捉えて判断するということは、法律の趣旨に合致しているものと思われます。

曖昧な知識で遺言書を遺すと、このような大きな事案になってしまうこともあるため、正確な知識を持って遺言書を遺していただければと思います。