遺産分割のコツ

人が亡くなって、遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議という話し合いを

することになります。

その際、どうすればスムーズに話し合いが出来るかを解説します。

この場合、相続人の関係が良好な場合で喧嘩など険悪な状態でないのを

前提に遺産分割協議のコツをお話しします。

 

分かりやすく事例で説明します。

女性85歳X、その長男A,次男B、三男Cがいたとします。

Xは財産として、預貯金を6500万円持っていました。

 

その後、亡くなって、息子3人が相続財産を分けるために

遺産分割協議をしました。

 

例えば、10万円のお金であれば、分ける際に何千円の単位まで

考慮することが必要になると思いますが、6500万円の財産で

何千円、何万円の事を考えていると、いつまでたっても話し合いが終わりません。

大きい単位の財産を分ける際は、100万円単位、あるいは50万円単位で

考えた方が話がまとまりやすくなります。

 

この3人の息子がほぼ平等に分けたいと考えているのならば

50万円単位ぐらいで分けていくのが、良いと思われます。

ただ1円単位でどうしても考えたいということであれば、それは相続人の

自由なので、どうぞそのようにしてください。

 

6500万円をまず、6000万円と500万円に分解して

6000万円を3で割ると、各人2000万円ずつ取得することになります。

さらに500万円を50万円の単位で3人で分けると

各人150万円と余り50万円になります。

ここまでをまとめると

各人2150万円ずつ取得し、余りが50万円になります。

 

この50万円は、先ほども言った通り、きっちり1円まで分けたいと

いうのであれば、分けていただいても構わないと思うのですが

お母さんが亡くなって、いろいろな相続の手続きがあります。

公共料金の手続き、年金の手続き、お墓の手続き、預貯金の相続手続きなど。

 

そういった手続きで時間を使って、労力をかけた人が50万円をもらうような

配慮を各相続人がすれば、円満に財産の相続手続きが出来るでしょう。

 

また、そういう手続きをした人に50万円を渡さないなら

これから、法事や冠婚葬祭の親戚付き合いをすることになる

相続人がこの50万円を取得する話し合いが出来れば、同じように

円満な相続手続きになると思います。

 

実際の相続は、不動産があったり、預貯金も4つぐらいの金融機関に

バラバラで端数もあり、預けられたりすると思います。

ただ、この100万円単位で、あるいは50万円単位で考えることを

していただければ、それほど難しくはないと思いますので、これを

応用して考えて、話し合いを進めてみてください。

 

肝心なことは、相続人各人の立場、事情などを想いあって

話し合いをすることが重要だと思います。